メディアで取り上げられた知的財産に関する話題について語るコラム 第3回(それってパクリじゃないですか編 その3)

 パトリオ特許事務所の中の人(弁理士)です。個人的趣味で選んだ知的財産に関する話題について気ままに語ります。

 今回は、日本テレビ系列ドラマ「それってパクリじゃないですか?」第5回での拒絶理由通知の対応についてです。第5回では、亜季の同期である開発部の窪地が出願した甘酒の特許出願に対して拒絶理由が通知されます。第5回では、特許庁の内部がドラマで使われたことも話題になりました。

 拒絶理由通知は、特許出願した発明について、特許を受けることができない理由が発見された場合に、審査官が出願人に対して通知されます。

 拒絶理由には、出願した発明が特許出願前に知られていた場合に通知される新規性違反、出願した発明が容易に思いつく発明である場合に通知される進歩性違反などがあります。拒絶理由が通知された場合、拒絶理由を解消するために以下の手段をとることができます。

・拒絶理由が妥当でない理由を記載した意見書の提出。
・拒絶理由が解消するように特許請求の範囲を補正した手続補正書の提出。

 出願人は、意見書や手続補正書を提出する前に、審査官と面接することができます。出願人は、発明の実物や資料を使用して、審査官に発明の内容を説明することで、発明の内容について審査官と相互理解を深めることができます。

 審査官との面接における最大のメリットは、検討中の補正案、主張する意見書案の内容に対する審査官の心証を伺うことができる点です。審査官に発明の内容を説明しつつ、補正案、意見の内容を検討してもらうことで、特許査定への道筋を効率的に見出すことができます。

 審査官との面接は、特許庁の庁舎だけでなく、大阪にあるINPITーKANSAI(独立行政法人 工業所有権情報・研修館 近畿統括本部)でも行っています。また、Web面接でも対応可能です。

 弊所では、進歩性違反に対して、安易な限定による拒絶理由の解消に走らず、お客様の望む権利範囲の取得を最優先とする対応を心がけております。意見書、手続補正書の提出だけでなく、審査官との面接を活用してお客様の利益を最大化することを目指します。特許出願をお考えの際には、是非パトリオ特許事務所にご相談ください(^^)/。

参考:日本テレビ“それってパクリじゃないですか?” ホームページhttps://www.ntv.co.jp/sorepaku/

(文責:松下 計介)